本日のスープ

Various tasteful things becomes spice of life.

Life with Mini Series 02 解説記事 Vol.3 古道具からミニを知る

MINI freak (ミニフリーク) 2008年 12月号 [雑誌] 今月発売の MINI freak (ミニフリーク)  (以下:Mf誌)の No.103 2008-12「Life with Mini  Series 02」の蛇足な解説企画。前回の「ミニから古道具を知る」編に続いての第三回目。

注)今回も長文です。

●道具として扱うということ
 2000年におぼろげな目標を持っただけで、職を辞してしまいました。とりあえずなにかヒントでもないだろうかと、貯金を食いつぶしながら骨董市や古道具屋を見て回る毎日。方々見て回ったのですが、そのままでは道具として成立できないものを修理をしないで売りに出している業者が多かったです。確かに売れるかどうか確実じゃないものに手間とコストを掛けたくない心情は理解できなくはないです。また「ジャンク」と称して客にその後の修理を委ねるのも、由緒正しき「ボロ市」から行われてきた売り方ではあります。しかしワタシには何か釈然としなかったのです。これでいいのか?
 そしてある日の骨董市でジャンクだというカメラを買いました。レリーズが不良でワンアクションでフィルムを巻き上げられないのです。これを帰ってバラしてみました。カメラの分解は初めてでしたが、それでもミニと同じ機械です。もしかしたら視覚的に不具合の箇所さえ判れば、形からその意味や対策方法がひらめくだろうと、なんだか妙に自信があったのです。これは歯科技工で無から物を造り出すこと、ミニを維持ってきたこと、両方で得た経験と勘かも知れません。それで修理できたときの喜びは大きかった。今までミニのメンテこそすれ、修理と呼べるようなことはしていなかったので、ひとつのモノを自ら「道具」として復活させられたことは貴重な体験でした。そこで、それならば自分は修理をする役割を担っていけるのでは、と思ったのです。
 さて暗中模索で軽トラでも駆って古物の収拾でも始めるしかないかと思った矢先に、ここでも FIAT500 乗りの友人が引導を渡してくれます。ワタシも何回か行った事もある地元の骨董屋に振り子時計のネジ巻きを買いにいった彼が、そこの店が人手を欲しがっているぞ。と教えてくれたのです。ノウハウを吸収させてもらえるかもしれない。それで早速店に伺って、ご主人の役に立てるかどうか判らないけど、様々な古道具の修理をして再び世に出すことで人の役に立ちたい。とアピールして翌日から使ってもらえる事になりました。
 ここでは毎日様々な古道具の仕入れと清掃と修理の繰り返し。通勤にはシティを使うも、維持費用の問題と激減したカントリーマンの使用頻度が気がかりでした。クルマは毎日使っていてこそ元気なのでは?と思い直しシティはモトコンポと共に人手に渡しました。めでたくカントリーマンが復権したものの、とにかく休日が無くてメンテにあてる時間が取れない。オイル交換サイクルの遅れはもちろん、漏れて減っている事に気付かない事もしばしば…。木枠もニスがすっかり剥げてしまいました。休日が無いのも自分自信の成長のためと思っていたのですが、カントリーマンには悪い事をしました。「旧車を所有する資格が無いぞ」と怒られそうなエピソードですが、ミニは自分自身を外に表現する大事な存在でしたので、車庫などにしまい込むのも人手に渡すのも考えていませんでした。ただ自分の愛情とは裏腹に、一般的に世に言うとおりの「道具扱い」をしていたかも知れません。

●道具失脚

 そして5年経ったところで、更なる成長のため東京のリサイクルショップに入店、同時に単身寮暮しをします。畑違いのリサイクルショップに入店した理由は、地元骨董屋で培った眼と技術が通用するのか、また東京にもまだ認知されていない埋もれた古道具があるのではないかと睨んでいたからです。
 実際、そこの現場ではワタシの眼で面白い、見込みのある、と思えるものとの出逢いも豊富だったのですが、上司に「これ売れますよ」と言っても、客層が違うとか、回転率が悪いとか、その魅力を信じてもらえないことが多かったです。
 あるモノを処分したい人がいて、そのモノを欲しい人がいる。それを橋渡しをする業者が価値を理解しないで右から左に廃棄処分してしまうのです。リサイクルとは名ばかりで大量消費に加担しているのが悲しいかな実情でした。そのうちなんとか上司を口説いて救出できた品が我が家には数点だけあります。
 しかし、東京の寮暮しでは所有車がカントリーマン1台きりでも乗る機会が激減です。そこであえて隣町からの電車通勤に切り替え、その町の駅までの道のりにカントリーマンを併用させる作戦にします。何故わざわざ旧車を使う機会を増やすのか。疑問に感じる方も居られるかもしれない。大事にしたい存在が消耗 していくことを避けたい気持ちはワタシにも理解できます。けれど道具は使わなければその存在価値は無いとワタシは思います。ワタシにとっては乗って使ってあげることがカントリーマン への愛情表現なのです。
 職場を変えて良かった事は、東京の仕事では地元の骨董屋よりも時間的余裕がでてきたので、カントリーマンでのレジャーやメンテも通常ペースで再開できたことです。ところがある休日に高速走行するとある回転数からエンジンから振動を感じました。後日オイル交換をするとオイルパンから大きな金属片が出現。5年間のメンテ不足のツケが廻ってきたんだと思います。ニス塗りを施していない木枠も、ついに見るに耐えない様相になってきていました。このまま修理なしでは乗り続けられなくなり、肝心のミニが「道具」としては失脚したのです。(このへんからの模様は2006年2月からの記事でご覧になれます。)

●巡り巡って身近な古道具を知る
 カントリーマンで古道具の世界を知って飛び込んでいった古道具の現場。そこで実際に道具を修理して世に送り出すことを体現できた。しかし今まさにそのキッカケとなったカントリーマンが修理を必要としている。過去の自分だったらまた全ておまかせでショップに預けてしまったでしょう。でも、なんとなく切り離して考えていたけれど「カントリーマンも古道具」なのでした。古道具を修理するのが自分の役割では無かったのか。と自問自答しました。カメラやストーブのような小さな修理の集合だと思えばなんだか自分の手でも「道具」として復活させられるかも知れない。このことを自分自身への挑戦状のように受け止め、東京での古道具の救出よりも、我がカントリーマン復活を第一目標としたのです。
 まだカントリーマンは完全復活のための道程の途中ですが、これを成し遂げられれば、ワタシが古道具を扱う人間としておおいに前進するのだと信じて今に至ります。

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Comment

taro | URL | 2008年11月07日 21:00
はじめまして。
今日、お世話になっているミニ屋で「 MINI freak」を見てこちらにお邪魔しました。
僕のミニ生活はまだ駆け出しですが、Suzuさんに刺激され、もっとかわいがってやろうと思いました。

記事の中で益子が出て来たのにも反応しました。
茂木で焼き物を作ってますので。

またおじゃまします。
Suze | 2008年11月09日 00:01
taroさん。こん**は。ご来訪ありがとうございます。もしかすると以前に益子でお会いしてたりして…。
今年は陶器市も行きたかったのですが、「浜名湖」を優先してしまいました。このところなかなか機会に恵まれません。次回こそはと思っています。
ミニのことはもちろん、益子のことなどいろいろなお話しができると嬉しいので、また是非お立ち寄りくださいませ。

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1969
Austin
Mini Countryman Mk-II

`97に英国より輸入し登録、以来所持続けている我が愛車。これが手持ちで一番のお気に入りの『古道具』である。ただいまいくつかの課題をこなしながら何度目かのリフレッシュ中。2009年より”モーリス・トラヴェラー”仕様にして楽しんでおります。

 
1986
RENAULT
4 GTL

`06年4月に購入。使い古しが似合うブルージーンズのような『古道具』。`08年5月までリフレッシュ中のカントリーマンの代役を務めてくれました。また乗りたいクルマ。

 
1996
FIAT
Panda CLX

D車を新車で購入した妻と一緒にこちらにやってきました。当時は旧車ではありませんでしたが古道具を経てそろそろそう呼べる域には達しているかも。高年式さ故にミニのバックアップ的存在でしたが積載能力を求めた結果、`11年6月にルノー・エクスプレスにその役をバトンタッチしました。機会があれば今度は Panda 45 を手に入れたいです。


1990
RENAULT
express GTD

`11年6月に購入。道具を積んで移動するための『古道具』。カントリーマン以上の活躍をする場面もありながらトラブルという名のイベントを発生させることも得意の様子。


1974
DAIHATSU
Solex 5000

前輪駆動によるモペッド。`04に購入。本国フランス仕様とはちょっと異なるコンパクトな日本仕様。気軽に遊ぶ『古道具』であるが、登場機会は全くと言っていいほど無い。

FullSizeRender
2010
ABARTH
500 esseesse

旧車予備軍になる得ると予感して購入。なんて、本当はエアコンが効いて走ることが楽しそうなのが欲しかっただけ?。とりあえずカントリーマン不在の心の穴を埋めてくれています。


1971
Sabotage-soup
Suze(管理人)

「古道具や旧車など古いものを活かして生きる」をコンセプトとしてサボタージュ・スープと名付けて活動していますスーズと名乗る者です。日替りのチープシックだけど味わい深いごった煮をどうぞご賞味あれ。
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