本日のスープ

Various tasteful things becomes spice of life.

Life with Mini Series 02 解説記事 Vol.2 ミニから古道具を知る

MINI freak (ミニフリーク) 2008年 12月号 [雑誌] 今月発売の MINI freak (ミニフリーク)  (以下:Mf誌)の No.103 2008-12「Life with Mini  Series 02」の勝手に解説、前回「ミニ購入まで」編に続いての第二回目。
 今回は、初めてのミニとの生活から、興味のない人には全く関連のない「ミニと古道具」がワタシにとって過去にどのように関わってきたのかまでのご紹介です。
注)長文です。

●不完全さを楽しむ
 埼玉のショップに見に行った当日に悩む事も無く即決で購入したMini1000でしたが、これがほとんどノントラブル。一回だけ走行中にメインキーのコネクタ部の接点焼けを起こしてエンジンストールしたくらいです。おかげで修理資金のつもりでストックしていたお金は次々とドレスアップなどに廻せました。
  目指したのは、高年式でも比較的スムーズに実現可能なMk-IIIスタイル。赤いボディはそのままにルーフはブラックにリペイント。ポップな柄だったシートは 本物のMk-IIIの黒いシートに交換。センターメーター化。Mk-IIタイプ2色テールランプ。ルーカスタイプフェンダーミラー。点火系をセミトランジスタ化。などなど。塗装以外は工賃を節約するためD,I,Y,(本当は Do It Myself だから D,I,M,ですね)。こうしてひとつひと つ思いどおりに仕上げていく楽しさはミニならではです。
 トラブル対処に追われる事はなかったので機関のメンテについてはじっくりと Mf誌 のムックなどを参考に覚えていきました。オイル交換はもちろん、季節の変わり目にはキャブ調整。そうして軽い整備を自分でやるようになって感じるようになったのは、ミニって手をかければそれだけ応えてくれる。しかもその変化がこちらにも判り易い。不完全さを感じるところは自らがカバーすることで100%により近づける。ということ。
 でも、内張りも張り替えたいし、10インチ化もしたい。などと自分の理想のスタイルの実現のためにひとつひとつ補って100%を目指しているつもりでも、どこかしら満たされない気持 ちはありました。完全なレプリカを目指すのは、オリジナルへの批判のようにも感じ始めました。よく言われる事ですが、好きなものがハッキリしているのらなば、勇気を出してオリジナルを手に入れるのが近道だと思います。
 それと、もしも今の技術水準と比較して感じる不完全さというのがあるとすれば、それを部品の交換や追加でカバーするという考えも全くは否定できないのですけれど、それは実は乗る側のメンタルやテクニックでのカバーでも可能だと思うのです。
 クルマに限らず、物事にあれやこれや不満を感じるのは、向こうに原因があるのではなくて、それを認められないこちらの心の弱さや狭さが原因であることが多いと思います。
 意識はしていませんでしたが、いくつかの試練をこなしていたのでしょう。メンテについても60年代も80年代のミニでも同じなのでは?と思い始めます。もしかしてワタシでも旧車を維持できるようになった?そう錯覚するようになりました。そろそろオリジナルのエステートにイケるか?。例え思い込みであっても旧車を迎え入れる自信がついたようでした。
 それと、ワタシに旧車の世界を垣間みせてくれた ホンダ・ライフ 乗りの友人が今度は FIAT 500 を購入したというのです。この時ばかりは少なからず対抗心が芽生えました。

●一期一会
 1997年初旬だったか、特に追い求める事もなく不意に好機が訪れました。整備でお世話になっていた地元のショップが英国から次回入荷予定だというカントリーマンのレストア作業状況の写真をたまたま見せても らったのです。アイルランドブルーのボディカラーが施されただけのほとんどドンガラの状態を見ただけで気持ちは90%決まったのです。そしてもうひとつの好機としては、彼女との同棲が始まったことです。1996年にワタシの推薦で買い換えた彼女の FIAT Panda との2台体制ならば自分のクルマは多少不便でも大丈夫かと思ったのです。
  初めてのMini1000に次いで、待望のカントリーマンもファーストインプレッションだけで決めました。ワタシは買い物選びには時間をかけますが、品物 を前にするとあまり悩んだりしないのです。ワタシは買い物もひとつの縁なのだと考えています。重要なのはタイミングというわけです。しかし、これをワタシは「たまたま」だとか「なんとなく」だとかは言いません。これを恋愛に例えた時に、そんな言い方をしたら相手に失礼だと思いませんか?。人との出会いと同じだと考えるといろんなことが楽になります。もしも苦労したとしても、その苦労を無駄にしないで次に活かせばいいのです。喜びも悲しみも全ての事が自分を成長させてくれるのです。
 そして念願の店頭入庫〜契約。ワタシはこの時すでに必ずや訪れるトラブルを期待していました。どんな経験をさせてくれるのだろうと。このころにはすっかりアウトドアだとかの趣味はどこかへ消え去り「クルマ維持り」そのものが趣味に変貌していたのです。

●念願のトラブル?
  カントリーマンに乗り始めて3〜4ヶ月経った頃でした。職場から帰る途中、上り坂で力つきるように止まってしまいました。Mini1000がトラブルが無 くて拍子抜けだったとはいえ、実際にトラブるとやはり慌てました。家までは遠いし、夜だし、坂道だから押すに押せないし、携帯は圏外だし。近くのラーメン 屋のピンク電話でカントリーマンを買ったショップやクラブのメンバーに助けを求めたように記憶しています。どちらの方だったか、どうやらダイナモが怪しい のではないかとアドバイスをいただたのですが、全く手の打ち用がなく結局はJAFを呼ぶ事に。ところがこの時のワタシは落胆するような気持ちは無くて「面白い経験ができた。話のネタができた。」とほくそ笑んでいたのです。

  それから気になる事がありました。カントリーマンの特徴たる木枠ですが、表面保護であるニスがどうにも怪しいのです。どうやら水性ニスのようで雨後には塗膜と木枠の間に水をためてしまうようなダメ塗装。このままでは腐る。そう思って一念発起。自らの責任において木枠を外しての再塗装に挑戦を始めました。そうしたら、裏側にはなんの処理もしてなくて唖然としました。英国でも日本でもレストアラー達は木材に関してはド素人だということがこの時わかりました。「木枠については自動車屋には頼めない。自分がなんとかしなければならない。

 それから1年後くらいでしょうか。1998年6月に次のトラブルである油圧不良が発生しました。走行中に油圧メーターが激しく急降下するのが運転中でも判りました。(エンジン音などに変化があったかどうかは覚えていません。)走行はできるもののこれは無視できないと、ショップに入院させることに。自分ではどうにも出来ない箇所なので知識や経験や設備の揃ったプロに任せるしかありません。旧車との付き合いとは修理の連続なのかと思い始めました。でもきっとトラブルが一巡すれば平和が訪れる時がくるはずだと信じておりました。

●古道具に開眼〜クラブ設立
 エンジンを降ろさねばならないトラブルを経験して、カントリーマンはセカンドカーにするのが相応しいのではないかという考えが頭をもたげます。レジャーや近所への買い物くらいならまだしも、さすがに通勤などには彼女の FIAT Panda をアテにはできません。それで小学生のころから気になっていたベーシックカーの代表格、ホンダ・シティを購入。お気に入りの「古いモノ」をひとつ増やしたのです。
 また、自分の所有物と関連のあるものだったら興味を持ったりする事は自然な事だと思います。英国生まれのミニですからそれに関連して、音楽は「ビートルズ」だったり、ファッ ションは「モッズ」だったり、そうやって自分の世界を構築されている方も少なくないはずです。ワタシの場合はキーワードがただ「古いモノ」でした。(本当はもっと細かいフィルタリングというか選択基準があるはずなのですが、それをうまく簡潔に説明できません。)
  最初は単純にミニのドレスアップの延長で考えていました。荷室に革トランクがあったら似合うだろうとか、ではそれに乗るオーナー自身はどんなファッション が相応しいのだろう、と考え60年代に流行った「VAN JACKET」を意識してみようだとか、クルマも暮しの一部なのだから、人の住む空間にまで意識の範囲を広げるとインテリアも古いモノを取り入れてみよう だとか。そうやってすこしづつ生活に古いモノが増えていったのです。
 そしてこの時期にも ホンダ・ライフ 乗りの友人、改め FIAT 500 乗りの友人がワタシの対抗心を刺激します。彼は知ってか知らずかいつもワタシの一歩も二歩も先を進んでいるのです。どういうキッカケか彼が「パーフェクション」のストーブを蒐集し始めるのです。それじゃ、とばかりにワタシはミニの雰囲気に相応しい英国製のストーブ「バーラー」に手を出します。
 こうしてワタシ達はクルマの趣味は重ならないけれど、歩んでいる方向性には違いはないように思えました。これが大衆車+古道具オーナーズ・クラブ「サボタージュ・スープ」誕生のキッカケです。

●人は儚し。モノは永遠。
 多少の苦難を経験させられる1969年式カントリーマンとの付き合いによって、むしろ愛着が増してくるのを感じました。そして「道具」としてつき合いながらも真っ正面に向かい合う事で、これに携わっ た人、所有していた人の願いや喜びや希望や祈りを感じるような錯覚にとらわれることがあるのです。そして自分もその歴史の一部になれた事への喜びも感じま す。そして思うのです。
「これは今でこそ自分に所有権はあるけれど、自分だけの所有物ではない。ただ今は借りているのだ。いつかまた世に返すその時まで。」と。そういう思いを仕事にできはしないかと、ワタシは2000年春に歯科技工の仕事を休業することになります。

Vol.3 に続く。

Trackback

Comment

木下 | 2008年10月21日 17:20
MF、早速拝読させて頂きました。
こちらと併せて、非常に感銘を受けました。。。
というか、自分について、少し反省してしまいました。

要所要所の経緯が、自分と逆なのが面白いです。
書き尽せないので、また機を改めて。
Suze | 2008年10月21日 21:18
 長文にお付き合いいただきありがとうございます。
 日曜日から妙にテンションが高くて、これだけ書いていてもまだ書き尽くせない思いがあって自分でも困っています。
 あと1回で終わらせられるかどうかわかりませんが、またお付き合いください。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字
 
 
記事検索

1969
Austin
Mini Countryman Mk-II

`97に英国より輸入し登録、以来所持続けている我が愛車。これが手持ちで一番のお気に入りの『古道具』である。ただいまいくつかの課題をこなしながら何度目かのリフレッシュ中。2009年より”モーリス・トラヴェラー”仕様にして楽しんでおります。

 
1986
RENAULT
4 GTL

`06年4月に購入。使い古しが似合うブルージーンズのような『古道具』。`08年5月までリフレッシュ中のカントリーマンの代役を務めてくれました。また乗りたいクルマ。

 
1996
FIAT
Panda CLX

D車を新車で購入した妻と一緒にこちらにやってきました。当時は旧車ではありませんでしたが古道具を経てそろそろそう呼べる域には達しているかも。高年式さ故にミニのバックアップ的存在でしたが積載能力を求めた結果、`11年6月にルノー・エクスプレスにその役をバトンタッチしました。機会があれば今度は Panda 45 を手に入れたいです。


1990
RENAULT
express GTD

`11年6月に購入。道具を積んで移動するための『古道具』。カントリーマン以上の活躍をする場面もありながらトラブルという名のイベントを発生させることも得意の様子。


1974
DAIHATSU
Solex 5000

前輪駆動によるモペッド。`04に購入。本国フランス仕様とはちょっと異なるコンパクトな日本仕様。気軽に遊ぶ『古道具』であるが、登場機会は全くと言っていいほど無い。

FullSizeRender
2010
ABARTH
500 esseesse

旧車予備軍になる得ると予感して購入。なんて、本当はエアコンが効いて走ることが楽しそうなのが欲しかっただけ?。とりあえずカントリーマン不在の心の穴を埋めてくれています。


1971
Sabotage-soup
Suze(管理人)

「古道具や旧車など古いものを活かして生きる」をコンセプトとしてサボタージュ・スープと名付けて活動していますスーズと名乗る者です。日替りのチープシックだけど味わい深いごった煮をどうぞご賞味あれ。
管理人のつぶやき
Archives
Recent Comments
Recent TrackBacks
本日のスープ